合宿免許とは
自動車運転免許は、直接試験会場で1発合格を目指すか、教習所で運転知識や技術を習って試験を受けて免許を取得するかの2種類の方法で取得します。そして、教習所で習う方法にも2種類の方法があり、教習所に通うか合宿免許に参加するかです。合宿免許とは、ある程度の期間教習所が定めた宿泊施設に滞在しながら、指定の運転免許を取得するための教習を集中して受けることを指します。宿泊施設は、教習所が用意した寮や教習を受けることができる設備のある近くにあるホテルや旅館などを使用することが多いです。教習の内容や卒業の後から試験を受けるまでの間には、通いの教習所の卒業と変わりがありません。
合宿免許には、様々なメリットがあります。ひとつは費用を安く抑えるということです。宿泊費や食費を含めてのパック料金で組まれていることが多く、補習による追加料金がかかることもないので、費用を安く抑えながら免許取得を目指すことができます。また、短期間で免許取得をすることができるという点もメリットです。通いで卒業を目指すと2,3か月から半年かかる人が多いですが、合宿免許ならば短くて7日、長くても1か月程度しかかかりません。ただ、合宿免許にもデメリットがあります。それが、合宿免許ですべての免許を網羅しているわけではないということです。
合宿免許で取得できる免許
自動車免許には様々な種類があります。免許の種類によって、車を運転することができる状況と運転できる車が定められます。第1種自動車免許とは、通常の車の免許であり、第2種自動車免許とはバスやタクシーなど人を乗せて報酬を得る業務をする際に必要となります。運転できる車の種類が最も少ない免許は原付免許です。普通自動車免許は、普通自動車を運転することができ、より大型で特殊な車の免許を持っていればいるほど、運転できる車の種類が増える仕組みになっています。つまり、大型特殊自動車免許を持っていれば、中型自動車も普通自動車も運転できることになります。
免許の種類によって、取得するための資格はそれぞれ異なるので、必ずしもすべての免許を取得することができるわけではありません。年齢の制限をはじめとして視力などの身体条件を定めることもあります。大型2種免許などでは、加えて3年以上のドライバー経験が必要となるなど厳しい条件を設けていることも多いです。これらの条件を満たしていれば、おおよそどの免許であっても教習所で取得することができます。合宿免許でも多くの免許を取得できる教習を行っていますが、すべての免許を取得できるわけではありません。第1種・第2種にかかわらず普通自動車から始まり中型・大型、普通2輪に大型2輪、大型特殊、牽引などの合宿免許は行われています。
しかし、原動機付自動車や小型特殊の合宿免許などは行われていません。小型特殊は、学科試験だけな上に普通自動車免許で運転できるものであり、原付免許も講習を受ければほかの免許で対応できるからです。
合宿免許で運転できる車
合宿免許では、原付と小型特殊の免許以外のほとんどの免許を取得することができます。第1種ならば、普通自動車免許からはじまり、中型・大型・普通2輪・大型2輪・大型特殊・牽引の免許を取得することができます。普通自動車免許を取得すれば、原付と小型特殊、普通自動車を運転することが可能です。同様にして、中型免許ならば原付・小型特殊・普通・中型自動車を、大型免許ならば原付・小型特殊・普通・中型・大型自動車を、大型特殊免許ならば原付・小型特殊・普通・中型・大型・大型特殊自動車を運転することができます。普通二輪免許ならば原付と普通二輪で、大型二輪免許ならば原付と普通二輪・大型二輪バイクを運転できるようになります。
なお、牽引免許は単独では機能せず、取得している自動車免許で運転できる車をけん引することができるようになる免許です。第2種の場合、普通自動車から始まり中型、大型の免許を取得することができます。運転できる車は第1種の免許と同じで、乗客を乗せることができるようになることが異なる点です。